若年層に比べて高齢者は転倒する確率が高く、転倒が生活機能の低下を招いてしまうことも少なくありません。そうなる前に転倒してしまう原因を理解しておき、転倒防止に努めましょう。
高齢者の転倒の原因として一番多いのが、バランス感覚の乱れからくるものです。年を重ねると視力や体力が落ちたり、背骨が曲がって姿勢が悪くなったりといったさまざまな要因から、バランスを取りにくくなるのです。
高齢者になると外出の回数が減るため、転倒の危険性は意外にも室内に多く潜んでいるものです。住み慣れた環境こそ転倒の危険があることを頭に入れておきましょう。
また、筋力の低下も高齢者が転倒する原因の一つになります。段差を上る際に足が思うように上がらなくなったり、片足に重心をかけることが難しくなったりと、下半身の筋肉の衰えが転倒につながるのです。若い頃と比べて運動したり外に出る機会が減ってしまうことで、高齢者の筋力は低下していきます。天気の良い日はなるべく外に出るなど、日頃から意識して体を動かすことが筋力アップに効果的といえます。
高齢者になると認知能力が衰えるので、内的要因だけでなく外的要因にも注目して転倒を防ぐ必要があります。例えば、玄関の段差でつまずいたり、階段の幅が広くて登りにくかったり、お風呂の床が滑りやすかったりといった要因が考えられます。こういった外的要因は、内的要因よりも改善しやすい問題ですので、リフォームするなどして出来る限り早急に対応しましょう。