加齢や服薬の副作用等によって、高齢者は筋力低下や平衡感覚の低下といった症状を引き起こすため、若者に比べて転倒のリスクが高くなります。転倒の際は打撲などの怪我を負いますが、当たりどころが悪いと骨折してしまうケースも少なくありません。
実際に高齢者の骨折の原因は転倒によるものが多く、日常生活には転倒のリスクが数多く潜んでいます。そのため、いかに転倒を予防できるかが重要になります。そんな転倒による骨折ですが、実際に骨折する部位として多いのはどこなのでしょうか。
高齢者の転倒で最も多いとされている骨折の部位は、足の付け根からひざにかけて伸びている太ももの骨である大腿骨、その大腿骨の上にある頸部が骨折する「大腿骨頸部骨折」だといわれています。この部位を骨折してしまうと、足の骨であるため治療中は歩行困難になるのはもちろん、強い痛みや股関節の動きが制限されてしまうなど、日常生活にも大きく影響を与えてしまいます。
また、治ったとしても骨折前のように完全な元の状態に戻ることが難しいともされており、最悪の場合はそのまま歩行困難となり車椅子や要介護となるケースも少なくはありません。高齢者は若者に比べて骨密度も低いため、転倒による骨折の可能性は高くなります。
骨折は時間経過とともに回復しますが、その後の生活に支障をきたしてしまう恐れがあるため、なるべく骨折しないように日常生活を送ることが大切です。転倒しやすい環境を周りに作らず、自身も運動などで筋力をつけて転倒防止に努めましょう。