自宅は、高齢者が転倒しやすい場所のおよそ7割を占めていることがわかっています。自宅の中でも、屋内での転倒が8割、屋外での転倒が2割となっていることにも注目です。転倒事故と聞くと外出先での事故が多いイメージがあるかもしれませんが、高齢者は自宅内での転倒が非常に多いことになります。高齢者になると、一般的には自宅内で過ごす時間が多くなることも原因の一つです。
その中でも、高齢者が転倒しやすい自宅屋内の場所は居間や寝室です。理由として、高齢者は身体機能が低下しがちであり、自分では十分に足を上げて歩いているつもりでもわずかな高低差が原因でつまずき、転んでしまうことが多いからです。
就寝時にトイレへ行こうとしてベッドから落ちたり、カーペットに足をひっかけてしまったりすることもよく見られます。また、フローリングや畳などで足を滑らせることもあります。
次に多いのが、階段での事故です。階段を1、2段踏み外して転倒してしまったり、階段を降りる際に手すりをつかもうとした手が滑って、そのまま転倒したりすることもあるようです。階段での転倒は大変危険なため、大けがにつながることもあるのです。
また、台所やダイニングでの転倒も多く見られます。キッチンマットにつまずくことも、転倒の原因の一つです。更に、お風呂場も転倒の多い場所に挙げられます。お風呂場は常に床が濡れていて滑りやすく、段差がある場合も多くつまずきやすい場所なため、特に注意が必要です。